−地球科学部門− 教授 兵藤 博信 (Hironobu Hyodo)
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【主要研究テーマ】
微小領域の40Ar/39Ar年代学

試料ホルダ:直径2ミリの孔に0.5ミリ程度の鉱物粒をいれる
隕石や月の試料、また太古代・原生代の試料など量や大きさが限られたものほどそれらがもつ地球科学的情報は重要である。特に古い試料になるほど風化・変質などが進みますます量的に限られる。40Ar/39Ar年代測定法を用いて、極微小の試料(0.5ミリメートル程度の鉱物粒)に段階加熱法を適用して過去の熱履歴を解明する。また最近では、薄片上の鉱物の内部に記録された過去の熱履歴等を空間分解能5-10ミクロン程度(試料サイズでは1ナノグラム)のレーザー光で精度よく測定することに挑戦している。

レーザー光であけた薄片上の直径50ミクロンのクレーター
先カンブリア代の年代学と古地磁気

太古代Acasta片麻岩の露頭: カナダ、北西準州
先カンブリア代の事象は化石が存在しないことから、得られる情報は主に物理・化学的なものに限られる。年代学は時間的な順序や周期を決定することに大きな役割がある。火成活動と関連して形成される岩脈などの貫入岩は年代のみならずに熱残留磁化からその時期の大陸と磁極の位置関係、地場強度などの物理的な情報を与えてくれる。これらの物理的情報を総合的に解析することにより、先カンブリア代の地球進化の歴史を明らかにする。
鉱物のアルゴン拡散現象

1000℃で段階加熱中の角閃石
40Ar/39Ar法で用いられる40K-40Ar系は鉱物中の40Kと40Arの拡散現象としてとらえることができる。特に気体である40Arは拡散も早く、鉱物外部からのいろいろな影響(熱・熱水)を受けやすい。その結果、鉱物外部のアルゴン分圧に応じて過剰アルゴンになったり、蓄積したアルゴンを失い真の年代を見積もることが困難になってくる。これらの拡散現象をより詳しく解析し、理解することで得られた見かけの年代のなかに隠された情報を引き出すことが可能になる。鉱物の特性や個々の事象で条件は異なるため一般論的に処理することは難しいが、拡散モデルや周りのアルゴン分圧のモデルなどを用いることで理解することを模索中である。